強い生命力と危険性を理解し、十分な対策と万が一の対応について把握ください
どういう生き物なのか
アニサキスの一生
寄生虫であるアニサキスは、最終宿主である鯨やイルカの体内で生まれ、卵の状態で排泄物とともに海へ放出されます。
海中で孵化したのち、最初の宿主として甲殻類などの動物プランクトンに寄生し、またそれを主食とする小型の魚に捕食されることで寄生を繰り返していきます。
体のアニサキスは最終宿主の体内でないと繁殖できず、ここに戻れなかった個体は宿主とともに死を迎えます。
生命力が強い
消化液の中でも生存できる事が生活環上で前提となるため、酸には非常に強いです。酢で〆る程度の酸では死滅には至りません。
また、体に傷がついたらすぐ死んでしまうとの解説もありますが、その体は見かけによらず固く強靭なので、多少の事では傷ついたりしません。
危険性
アニサキスによって引き起こされる症状
総称してアニサキス症とも呼ばれます。
生きたアニサキスの幼虫を摂取したのち数時間で症状が出始め、食後数時間後から十数時間後に、みぞおちの激しい痛み、悪心、嘔吐を生じます。
意外?な原因
アニサキスが胃壁に入り込むことが直接の原因と考えられてきましたが、近年の研究では虫体に対するアレルギー反応であるという報告も出ています。
対策、防止
アニサキスが寄生する可能性のある魚種
イカ・サバ・カツオ・ニシン・ハチジョウアカムツ・マトウダイ・キンメダイ・イサキ・アンコウ・真アジなど多岐にわたります。
近年では、寄生しないと考えられている魚種にも寄生する場合も増えているので、常識にとらわれずに対策をするのが好ましいです。
根本対策は加熱もしくは冷凍が推奨
加熱の場合
- 中心温度70度以上の加熱
- 60度以上ならば1分以上
冷凍の場合
- -20度以下で48時間以上の冷凍
その他の対策
目視による対策
鮮度の良い魚は内臓に潜んでいる場合がほとんどなので、早めの内臓処理と入念な水洗いをおすすめします。
身の中に入ってしまっている場合は出てくるのに時間がかかる場合もあるため、注意が必要です。
また内臓付近の身 特に、腹身の肛門付近 は寄生している場合が多いので入念にチェックし取り除いてください
物理的な対策
体表面に傷を付けると死んでしまう虫ですが、想像以上に頑丈、かつどこに潜んでいるか分からないため、いわゆる細切りや薄切りなどだけでは直接の対策にはなりません。
もし感染したら、感染させてしまったら
- 自身が感染した疑いがある場合は、早い段階で最寄りの病院で医師に相談してください。
- 万が一お客様から感染の疑いがあるとの報告があった場合は速やかに各自治体へ報告し、指示を受けてください。
- 厚生労働省のホームページに対応についての詳細がありますので、一度目を通す事をおすすめします。