アンコウの食材としての特徴

歩留りも良く、価値の高い魚です

アンコウは、グロテスクな見かけによらない上品な白身と食感で、肝はうなるほど美味く、捨てるところがないほど優秀な魚です。冬、寒くなると身が締まり、甘味が出てきます。特に肝は脂が乗って美味いとされています。鍋料理をはじめ創作意欲の湧く食材です。
料理人さんによっては、あえて春先や秋口の脂の薄い状態のあん肝を使って提供する方も いらっしゃるそう。まさに腕の試される食材です。ちなみに、まだ暖かい夏場は一般的に身質が水っぽくなると言われています。この時期は唐揚げに。上品な味はそのままに、水っぽさを逆にジューシーさとして提供できます。

寄生虫は多い

アンコウには寄生虫が多くつきます。特にアニサキス系の虫は皮や胃、肝の表面に多くいます。

包丁でしごき、ぬめりとともに取り除いてお使いいただくのが基本です。

また、骨の周りにも塊状の虫(微胞子虫)がつくことがあります。

加熱して使っていただければまず問題はなく、人に感染することもありません。

大切なのは天然魚を扱う際に、虫はある程度いることを前提として理解すること。アンコウに限らず、適切な知識と対策のインプットをお願いいたします。

調理でけがをしないために

アンコウの口のなかは非常に鋭く、頭も各所にとげがあるので、まずは軍手などでケガを予防しましょう。

一度丸の状態から処理し、どこにどんな部位があるのか把握すると理解が深まります。

非常に柔らかく、ぬめりも強い魚で皮も切りづらいので、包丁が思わぬ動きをしてケガをしないよう、慎重にさばきましょう。