変色にはオキシ化とメト化の2通りがあり、それぞれ起こりやすい条件があります
色の変化は2通り
変色には色鮮やかに変化するオキシ化と、いわゆる"褐変"のメト化の2通りがあります。
オキシ化
マグロに含まれるミオグロビンが空気中の酸素と結合し、オキシミオグロビンへ変化します。この作用により、マグロが鮮紅色になります。
メト化
オキシミオグロビンがさらに酸化するとメトミオグロビンとなり、暗褐色へ変色していきます。これは褐変と言われています。
変色と身のpH
漁獲時にマグロが暴れまわると、人間と同じく身の中に乳酸が生成されます。
この影響で身が酸性になり、変色が比較的早く始まる傾向があります(一部資料では数倍とも)。
一目では鮮度を判断できない冷凍状態のマグロの鮮度判定の指標として代表的なもののひとつに、尾部の肉を一部採取してpHを計測するものがあります。
目安とコントロール
マグロの変色のしやすさについては漁獲時の状況によるウエイトが大きく、個体差が大きくなってしまいます。
届いたマグロに合わせ、使っていく過程で状態を見極め、保管や解凍方法をコントロールすることが非常に大切です。
生マグロの場合
柵どり後赤身の様子を観察し、暗赤色から鮮紅色になっている場合、その個体は発色する可能性があるといってよいでしょう。すでに鮮紅色になっている場合は発色しない色のピークにあるか、すでに過ぎていますので、鮮度ケアをしながら変色する前に使いきるか、漬けにして使ってしまうのがおすすめです。
冷凍マグロの場合
ミオグロビンのメト化(変色)が最も進む温度帯はマイナス10度から0度の範囲だとされています。変色を防ぐという観点から見た場合、マグロの解凍時はこの温度帯を素早く抜けることが変色を防ぐ上でとても大切です。